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二つの展覧会

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十一月に入って、立て続けに二つの展覧会へ行った。

はじめは、東京国立博物館で開催中の
『仏像展』
広い会場に立ち並ぶ仏像の数々。詳しい知識がある訳ではないけれど、ただ観て歩くだけで面白い。
仏像によっては小さい人もいれば、大きい人もいる。装飾品(これが結構細かく、優美なアクセサリー!)を身に着けていたり、シンプルに衣だけだったり。
また、仏像がまとっている衣のたるみのラインは衣文(えもん)と呼ばれ、その表情の区分もさまざま。衣文の美しさは、それをまとう仏像自体の気品や優雅さ、色気というものに強く影響している。

古くから日本人が木で仏像を造ることにこだわった意味というか、精神性が少し理解できた。

展示の中でも、今回の開催後半期の目玉である、「滋賀・向源寺の国宝十一面観音菩薩立像」はやっぱりすごかった。広い会場内でもオーラを放ち、なおかつ至高の美しさ…。
そして、個人的に以前から好きだった円空作の実物が観れたのは良かった。感激してしまいました。



二つ目の展覧会は、東京都現代美術館で開催中の
『大竹伸朗 全景』
…これはもう、言葉にならない。
美術館の企画展示室の全フロア(地下一階から一・二・三階、屋上まで)を埋め尽くす圧倒的な作品群。その質と量の物凄さにただただ感動し、圧倒された。これまで観てきた美術展の中で、一番揺さぶられる展覧会だった。
文章で感じた事を書こうとすると、長くなってしまってまとめきれそうに無い。

ただ、ゴッホやピカソ、マティスと並べても遜色の無いレベルではないかと思う。

二千点に及ぶ回顧展としての個展。その会場構成もさることながら、作品一つ一つに感じる異常なエネルギーはまさに圧倒的。観ていると絵というものに対する考えが変わってしまうのだ。

「同じ人間が作り出しているとは信じられない」
そんな思いで展示を観ているところに、大竹さん本人が歩いてきた。
…衝撃的だった。
大竹さんが怪物のような人物だった訳ではない。凶暴的な個性を感じさせる人物という訳でもない。

展示の係りの方と一緒に打ち合わせをしつつも、観に来ている人にさりげなく気を配っている。落ち着きの中にも確かな強さを持っている感じ。そう、ものすごく自然体な人だった。

会場に並ぶ膨大な作品群と、それを作り出してきた一人の人間。
両者をセットで目の当たりにした時、自分の前にあるこの信じられない状況は、どうしようもない事実なのだということが、愕然と理解できた。


何だか「驚き」の表現ばかりの文章になってしまった(笑)
でも、それ程の展覧会でした。
『仏像展』、『大竹伸朗 全景』。どちらも素晴らしかったです。機会があればぜひ観にいってみてください。
(16, Nov, 2006. 夕歩)
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by studiofusha | 2006-11-19 01:16 | 東京